年収・働き方
休みが多くて給料がいい仕事はある?|休日欄の読み方と条件の絞り方

休みも給料も、今よりましな仕事に移りたい。
そう思って調べると、公務員、銀行員、MRと、いまから入るには遠い仕事ばかりが出てきます。
休みが多くて給料もいい仕事は、業界で選べばあります。
ただ、未経験から両方を一度に取りにいくと、選べる求人はほとんど残りません。
人を紹介する仕事で求人票を見ていると、休日欄は、書いてある数字どおりに読めないことがあります。
この記事では、休みの条件を1つに絞る方法と、求人票の休日欄の読み方を書きます。
読み終えるころには、どの求人に応募するかを、自分の条件で選べるようになります。
休みも給料も多い業界
休みが多くて給料がいい仕事は、職種名ではなく業界で探します。休みも給料も多い業界は、統計で見ても実際にあります。
「休みが多い」の目安
土日と祝日に休む会社なら、年間休日は120日前後になります。2026年の暦で数えると、土日が104日、平日にあたる祝日が17日で、合わせて121日です。週5日働いて毎週2日休むのは普通の働き方で、それだけで年104日になります。
実際の会社の平均は、厚生労働省の「就労条件総合調査」(令和7年)で、1企業あたり112.4日でした。業界ごとに見ると、工場の多い製造は114.2日、スーパーなどの小売は107.0日、宿泊・飲食サービスは102.2日です。お店や飲食で働いていて休みが少ないと感じているなら、その感覚は平均の数字とも合っています。
出典: 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」、業界別の数字は同調査 第4表(e-Stat)
年収と休日が両方上位の業界
年間休日が多い業界は、次の4つです。
| 業界 | 年間休日 | 身近な例 |
|---|---|---|
| 情報通信 | 122.2日 | ITの会社 |
| 金融・保険 | 121.6日 | 銀行や保険の会社 |
| 学術研究・専門・技術サービス | 121.4日 | 設計事務所など |
| 電気・ガス・熱供給・水道 | 119.4日 | 電力会社やガス会社 |
この4業界は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和7年)で見ると、年収でも上位4つに入っています。年収の数字は、給料の高い仕事の記事の「業界と会社で変わる年収」で表にしました。
年収を決めるのは、能力より行く場所です。休みも、どこに行くかで決まります。
同じ業界でも区分と規模で違う
同じ業界の中でも、区分と会社の大きさで、休みは変わります。
卸売・小売をまとめると111.8日ですが、卸売は117.5日、小売は107.0日で、10日以上の差があります。スーパーで商品を売る側にいる人でも、その商品を店に卸す会社に移れば、休みの平均が変わるということです。
会社の大きさでも違います。1,000人以上の会社は117.7日、30〜99人の会社は111.2日でした。
ただ、どれも平均です。1社ずつの休みは、求人票で確かめる必要があります。
未経験なら営業として入る
資格も経験もまだ無いなら、休みの多い業界の会社に、営業として入るのがいちばん入口の広い道です。営業は資格が要らず、うちが扱う求人でも、経歴に自信が無い人が受かりやすい営業の求人が多くあります。
検索で上に出てくる公務員には試験があり、銀行員やMRも、いま工場やお店で働いている人が次に移る先としては、入口の狭い仕事です。営業は、同じ営業でも、行く会社によって売るもの、売り方、休み方まで違います。だから、業界を選んで入る意味があります。
「営業は休めないのでは」と思った人もいるはずです。それは、少しあとの「営業の休みの決まり方」で答えます。
条件を重ねるほど減る求人
休みも給料も、経験が無いうちに上の条件で求めると、出してくれる会社はほとんどありません。
この章は耳の痛い話です。それでも書くのは、条件を並べたまま、同じところで足踏みしてほしくないからです。
会社が自分を選ぶ理由
条件を上にそろえる前に問われるのは、会社がその人を選ぶ理由があるかです。
土日休み、年間休日120日以上、残業が少ない、固定給(成果に関係なく毎月決まって出る給料)が高い。条件を1つ足すたびに、応募できる求人は減っていきます。休みも給料も多い会社には、働きたい人も集まるからです。
相談に乗っていた人に、「土日はしっかり休めて、固定給はまず30万円ほしい」と言われたことがあります。そのとき私が聞いたのは、いま人より上に立てるものがあるか、です。営業の経験も実績もまだ無いうちに条件だけを上にそろえても、選ばれません。このときのやり取りは、給料の高い仕事の記事の「休みが多くて給料もいい仕事の探し方」で詳しく書きました。
まず1つだけ取りにいく
いま人より上に立てるものが何も無いのは、当たり前です。だから、最初の転職で取りにいく条件を1つに決めます。両方をあきらめる必要はありません。
休みを取るなら、給料は下限を守るところまでにする。給料を取るなら、休みは譲れない1つだけを残す。そうやって絞った求人に入って実績を作れば、次の転職では、交渉の材料を持って休みも給料も選べます。ここで言う実績は、営業なら契約の件数や売上のことです。
どちらを取るかは、手当を除いた今の給料で決めてください。休みの多い職場に移っても手取りの下限を守れるなら、休みを取りにいく。守れないなら、先に給料を取る。
休みを取りにいくと決めたなら、次は、どの休みを取り、給料をどこまで守るかです。
休みの条件と給料の下限
休みの条件は、絶対に嫌な休み方から1つに絞ってください。給料は、手当を除いた手取りで下限を決めます。
「休みが多い」を分けて考える
「休みが多い仕事がいい」と言うとき、その中には別々の望みが混ざっています。
土日に休みたい。
年間の休みの日数を増やしたい。
残業を減らして、平日の夜を空けたい。
お盆や年末年始に、まとまった休みがほしい。
この4つは、同じ求人でそろうとは限りません。土日休みでも残業が多い会社もあれば、シフト制でも年間休日が多い会社もあります。
絶対に嫌な休み方から選ぶ
欲しい休み方を探すより、絶対に耐えられない休み方を1つ選ぶほうが、譲れない条件ははっきりします。
やりたいことを探すより、やりたくないことをやらない探し方のほうが、メンタル的にも間違いなくいいと、私は思っています。休みの選び方も同じです。
「子どもの行事がある土日に、毎回出られないのは嫌だ」「連休が1日も無いのは耐えられない」。これに当たる条件を1つだけ残して、残りは、あればうれしい程度にとどめてください。
給料の下限は手取りで出す
給料の下限は、額面ではなく手取りで出します。求人票の金額は、税金や社会保険料を引く前の額面だからです。手順は次のとおりです。
- 家賃、食費、毎月の支払いを足して、手取りでいくらあれば暮らせるかを出す(仮に20万円)
- 自分の給与明細で、手取りが総支給の何割かを割り算する(仮に8割なら、20万円÷0.8で、額面25万円が下限)
- 今の給料から手当を除いた額と、求人票の月給の両方を、この額面の下限と比べる
数字は仮の例です。自分の給与明細の数字で計算してください。
統計で「給料が高い」と言えるのは年収700万円を超えるあたりからで、その根拠は給料の高い仕事の記事の「年収いくらから高いと言えるか」に書きました。最初の転職で守るのは、そこではなく、暮らせる下限です。
今の給料の中身を分ける
工場や飲食の給料には、残業代や夜勤手当、シフトの手当が入っていることが多くあります。休みの多い職場に移ると、こうした手当が減って、総額が下がることがあります。
給与明細の「基本給」と「手当」の行を分けて、手当を除いた額を出してください。上の手順の3で比べるのは、この額です。
移る先の給料の決まり方も見ておきます。時給や日給で働く求人では、働く日が減れば、そのぶん給料も減ります。月給制の求人なら、会社が決めた休日の日数が多くても、月給の額そのものは変わりません。休みを増やしたいなら、月給制の求人どうしで比べてください。
手当を除いた額で比べて、下限を守れるなら、休みを取りにいってかまいません。
営業の休みの決まり方
営業の休みは、「営業」という職種名ではなく、勤め先の業界と、法人向けか個人向けかで変わります。
営業のつらさは本当にある
営業は楽な仕事ではありません。訪問営業なら門前払いもあり、嫌な気持ちになる日もあります。私は営業を勧めていますが、この大変さを、何でもないことのように言ってごまかすつもりはありません。
休みが少なくてつらかった、という営業の話も目にすると思います。その職場の休み方が、その人に合っていなかったことも多いはずです。営業という仕事が、どこでも休めないわけではありません。
休みは勤め先の会社で変わる
営業の休みも、その会社の休日に沿うことが多くなります。休日の多い業界の会社を選べば、営業も休みやすくなります。
ただ、営業だけが休日に出る会社もあります。営業職だけの年間休日の統計は無いので、見るのは業界の年間休日と、求人票の休日欄と、面接で聞く中身です。
法人向けか個人向けかで変わる休み
法人向けの営業は、取引先の会社が動いている平日に働くことが多くなります。取引先が土日に休むなら、営業が土日に動く理由がないからです。
個人向けの営業は逆で、お客さんが休みの土日に家を訪ねたり、店に来てもらったりすることが多くなります。住宅や車を売る仕事を思い浮かべると、わかりやすいと思います。
土日に休みたいなら、法人向けの営業を選ぶ。そういう選び方ができます。求人サイトでは「法人営業 未経験 年間休日120日」のように検索し、求人票では「法人営業」「取引先は企業」と書かれているかを見てください。どんな職場なら成果が出やすいかは、ノルマや売り先など、成果を左右する6つの環境をまとめた記事で確かめられます。
求人票と面接での休みの確かめ方
休日欄は、年間休日の数、休みの曜日、その内訳を分けて読みます。書いていないことは、面接で聞きます。
完全週休2日と週休2日
「完全週休2日制」は、毎週2日休める決まりです。「週休2日制」は、1か月の中に2日休める週が1回以上あるという意味で、毎週2日休めるとは限りません。
曜日も見てください。「土日祝休み」と書いてあれば曜日が決まっていますが、「週休2日(シフト制)」なら、平日に休む週もあります。
年間休日の内訳を確かめる
年間休日の数字には、何が入っているかを確かめてください。夏季休暇や年末年始の休みが含まれていることがあります。
年間休日120日と書いてあっても、そのうち5日を有給休暇で消化させて、実際の休みは115日という会社もあります。有給休暇は本来、年間休日とは別に数える休みです。内訳に有給の消化が入っていないかを見てください。
出典: 年間休日に有給休暇を含まないことと、週休2日制の区分は、前出の「令和7年就労条件総合調査の概況」の用語の説明による
シフト制と4週8休の数え方
「4週8休」は、4週間で8日休む決まりです。1年に直すと約104日で、毎週2日休むのとほぼ同じです。祝日を休めるかは4週8休とは別の決まりなので、休日欄に祝日の記載があるかを見てください。無ければ面接で聞きます。
いまの職場がシフト制なら、去年1年で休んだ日を数えてみてください。求人票の年間休日と、同じ物差しで比べられます。
面接での休みの聞き方
休みのことは、面接で聞いてかまいません。ただ、聞き方で、条件を確かめている人に見えるか、休みたいだけの人に見えるかが変わります。
相手が自分をどう思うかより、相手に自分がどう見られているのかを、こちらで整えたほうがいい。休みを聞く前に、働く気があることを先に見せておくということです。たとえば「入ったら、まず新規の訪問件数で一番になりたいと思っています」と話してから、「年間休日の中に、有給の消化は入っていますか」と聞いてください。
最初の応募先の決め方
最初の応募先は、休みの条件1つと手取りの下限を守れる、休日の多い業界の法人向けの営業から選んでください。
次に広がる法人向けの経験
入ったあとは、実績を作る期間です。断られても件数を続けた経験は、次の転職でも評価されます。
最初の1社を法人向けにしておくと、次の行き先も広がります。個人向けの営業から法人向けの営業には移りにくく、法人向けからなら個人向けにも移れるからです。土日に休みやすい法人向けの営業は、休みの条件とも、次の行き先とも両立します。
今日書き出しておくこと
紙に、絶対に嫌な休み方と、手取りの下限と、いまの職場の去年の年間休日を書き出してください。
いまの会社も、同じ物差しで測ります。比べてみて、いまの会社のほうが休みも給料も良いなら、残る結論でかまいません。転職を前提に動く必要はありません。いまの会社で給料が上がるかどうかは、給料が上がらない理由を、会社の決め方から確かめる記事で確かめられます。
求人票に書いていない休みの中身は、その会社に人を紹介している転職支援の担当者なら知っています。
給料の高い仕事全体の選び方は、給料の高い仕事の記事にまとめました。
休みも給料も、順番を決めて、まず1つ取りにいってください。
