飛び込み営業はつらい?|成果が出る回り方のコツと、経験が転職で評価される理由

訪問先の一覧に、行く理由を1行ずつ書き込む手元

飛び込み営業は、時代遅れの根性論ではありません。
ただ、楽な仕事でもありません。1日回って、話を聞いてもらえた先が1軒も無い日もあります。

人材紹介の面談で、私は営業の経験を「新規か既存か」「電話か訪問か」まで分けて聞いてきました。
そのうえで、飛び込みのつらさの多くは、軒数を追う回り方から来ていると考えています。そして、飛び込みを続けた経験は、転職の場で高く見られます。

この記事では、回る先の絞り方と最初の一言、成果が出ない時期の記録の付け方、その経験を面接でどう話すかを書きます。
読み終えるころには、明日回る先をどう選び直すかが決まっています。

飛び込み営業は時代遅れか

飛び込み営業は、約束をせずに会社や店、家を訪ねて、新しい取引先を作る営業です。時代遅れではありません。いまも新規開拓の手段として使われています。

いまも新規開拓に使われる

広告を出しても、ネットで発信しても、それを見ない相手がいます。毎日店に立っている店主や、問い合わせフォームを開く習慣の無い会社です。こちらから会いにいかないと、話す機会そのものが生まれません。

飛び込みは、その相手に会える数少ない手段です。電話と違って、店の混み具合や置いてある物、働いている人の様子が目に入ります。会う前にはわからなかった困りごとが、その場で見つかることもあります。

つらさの多くは回り方から来る

楽な仕事だとは言いません。名乗り終える前に断られる日もありますし、嫌な気持ちになることもあります。私はこのつらさを、小さく言うつもりはありません。

渡されたリストを上から順に回り、断られた数だけ気持ちが削られていく。飛び込みのつらさの多くは、この回り方から来ています。

では、なぜ飛び込みは、ここまでつらく感じるのでしょうか。

飛び込み営業がつらい理由

飛び込みがつらいのは、断られることが前提の売り方で、その回数がそのまま自分に積み重なっていくからです。

断りを自分への評価と受け取ってしまう

1日回れば、断られる回数は1回や2回では済みません。そのたびに「自分は人に好かれない」と受け取っていたら、誰でももちません。

断られているのは、多くの場合、売り方と時機です。相手はあなたという人間を見て断ったのではなく、予定に無かった話を、いま聞く余裕が無かっただけかもしれません。

私のいる人材紹介の世界では、キャリアアドバイザー(転職の相談に乗り、求人を紹介する担当)で成果を出しているのは、意外と、人にそこまで入れ込まない考え方の人です。相手の人生を背負うつもりでやる人ほど、うまくいかなかったときに自分が参ってしまいやすい。

飛び込みにも、同じことが言えます。断りを1回ずつ自分への評価として受け取らない人のほうが、長く回り続けられます。

迷惑や怪しさを感じる理由

訪ねられる側から見れば、飛び込みは予定外の訪問です。誰が、何の用で来たのかがわからないうちは、警戒されて当然です。「飛び込み営業は怪しい」「迷惑だ」と言われるのは、この最初の数秒にわからないことが多すぎるからです。

裏を返せば、名乗り方と用件の伝え方で、警戒はかなり減らせます。具体的な一言は、あとの「最初の一言は名乗りと用件」で書きます。

当てる先で断られる数は変わる

同じ人が同じ話をしても、どこに当てるかで断られる回数は動きます。何年も使い回されたリストと、最近問い合わせのあった先のリストとでは、ドアを開けてもらえる割合が違って当然です。

自分の口下手を責める前に、回る先がどう決まっているかを疑ってください。リストの違いで反応がどう変わるかは、営業を辞めたいと感じる原因を切り分けた記事の「断られる回数は、渡されたリストで決まる」に書きました。

回る先は、自分で絞ることもできます。

成果が出る飛び込みの回り方

成果を上げたいなら、軒数を追うのをやめて、行き先を絞ってください。そして、話を聞いてくれた先から紹介でつないで、新しい取引先を開く回り方に変えていきます。

軒数より行き先を絞る

回る前に、1軒ずつ「ここに行く理由」を言えるかを確かめます。

理由は、立派なものでなくてかまいません。
最近、店を改装していた。
求人を出していて、人手が足りていなさそうだった。
同じ通りの店が、すでにうちの商品を使っている。

理由が言える先は、相手にとっても話を聞く理由がある先です。理由が言えない先は、その日の後半に回します。

1日に回る軒数を会社から決められているなら、軒数は守ったまま、行く理由を言える先が先に来るように順番を並べ替えてください。それだけでも、話を聞いてもらえる先は増えやすくなります。

紹介でつないで取引先を開く

訪問営業は、ちゃんと戦略を立てて回るのがいいと私は考えています。

たとえばカレー店を回るなら、1軒の店主から、つながりのある別の店主を紹介してもらい、つないでもらう。そうやっても、新しい取引先は開けます。紹介でつながった先は、最初から「誰々さんの紹介で」と名乗れるので、まったくの飛び込みとは入り口が違います。

どこを回り、誰から誰へつないでもらうかを考える。話す力だけでなく、営業としての総合力が試されます。そこに、この仕事のおもしろさがあると私は思っています。

同じ業種の店や会社は、仕入れ先や組合、地域の集まりで横につながっていることがよくあります。1軒で話を聞いてもらえたら、そのつながりをたどれないかを考えてください。

時間帯と順路は相手に合わせる

訪ねる時間は、自分の都合ではなく相手の手が空く時間に合わせます。飲食店なら、昼の混む時間を避け、ランチの営業が終わって落ち着いた午後に訪ねるのが無難です。会社なら、朝いちばんや終業の間際は避けます。

順路は、移動の短さだけで組まないでください。手が空く時間の早い先から回るように並べると、同じ1日でも話せる軒数が変わります。

話を聞いてくれた先から広げる

一度でも話を聞いてくれた先には、その日のうちにお礼を伝えます。名刺に一言添えて置いていく、店の問い合わせ先に短く送る、といった形で十分です。

次に行くときは、前回の話の続きを持っていきます。「この前おっしゃっていた件で、資料をお持ちしました」と言える訪問は、もう飛び込みではありません。

そうやって話せる関係ができた先には、紹介を頼みます。
「同じようなことでお困りの店主さんをご存じでしたら、〇〇さんのお名前を出して伺ってもよいでしょうか」
名前を出してよいかまで聞いておくと、次の店での最初の一言が変わります。

行き先が決まったら、次はドアの前で何を言うかです。

訪問前の準備と最初の一言

訪ねる先の困りごとを1つ当ててから行き、最初の一言では、誰が何の用で来たのかを先に伝えます。そのうえで、話を聞くかどうかを相手に決めてもらいます。

下調べは相手の困りごとから

訪ねる前に、店や会社のサイト、看板、口コミを見ておきます。見るのは、相手が抱えていそうな困りごとです。

口コミに「待ち時間が長い」と何度も書かれている。
サイトの更新が何年も止まっている。
求人を長く出し続けている。

困りごとを1つ決めておくと、最初の一言のあとに続ける話が決まります。外れていてもかまいません。外れたら「では、いまいちばん手がかかっているのは何ですか」と聞き直せば、それがそのまま会話になります。

最初の一言は名乗りと用件

最初の挨拶では、会社名と自分の名前、売り込みに来たこと、何の商品の話なのかを、まとめて先に言います。そのうえで、話を聞いてもらえるかを相手に尋ねます。

法人の店先なら、たとえば次のような形です。
「突然すみません。〇〇社の〇〇と申します。飲食店向けに、予約の管理を楽にする仕組みのご案内で伺いました。2分ほどお話を聞いていただけますか」

「いいよ」と言ってもらえたら、下調べで当てた困りごとにつなげます。
「口コミで、待ち時間のことを書かれている方が何人かいらして。予約の受け方で、そこが変えられるかもしれないと思ったんです」

個人の家なら、次のような形になります。
「突然すみません。〇〇社の〇〇と申します。ご自宅の電気のご契約を、当社のプランに切り替えるご案内で伺いました。少しだけお話を聞いていただけますか」

用件を伏せて入ろうとすると、相手はかえって警戒します。何の話かを先に言えば、要らない相手はそこで断ってくれます。それは時間の無駄が減ったということです。

身だしなみは清潔であれば十分で、話す速さは普段より少しゆっくりにします。

受付で止められても次につなぐ

会社や店の受付で止められたら、決裁する人に会わせてもらおうと粘るより、資料と名刺を預け、次に来てよい日時か、担当の方の名前を聞いて引き上げます。名前が1つわかれば、次の訪問は「〇〇様にお渡しした資料の件で」と始められます。

人材紹介の仕事で求職者と初めて会うとき、私は、次の連絡に出てもらうことを目的にしています。1回目は関係を作ることに力を注いだほうがいい。1回目から相手の考えを変えにいくと、嫌なやつに見えてしまうからです。

会社や店への飛び込みも、1回目はその場で売り切ることより、次に来てよいと言ってもらうことを目的にしたほうがいいと私は考えています。個人の家は事情が違います。「いりません」と言われた商品は、日を改めて勧めることも法律で禁じられているので、次の訪問はありません。

個人に売るときの法律の線

特定商取引法に、飛び込みそのものを禁じる条文はありません。ただ、個人に売る訪問販売には、守るべきルールがあります。消費者庁の特定商取引法ガイド「訪問販売」から、回る人が知っておきたいものを挙げます。

  • 勧誘の前に、事業者の名前、売り込みに来たこと、商品の種類を告げる(第3条)
  • 「いりません」「結構です」と言われた商品は、その場でも、日を改めても勧めない。同じ会社の別の人が勧めるのも同じ扱い(第3条の2)
  • うその説明や、威圧して困らせることは禁止。違反には罰則がある(第6条・第70条)
  • 契約するときは決められた書面を渡す。相手は、原則として書面を受け取った日から8日以内なら契約を解除できる(クーリング・オフ。第4条・第5条・第9条。使った消耗品など、できない例外もある)

営業のために結ぶ契約は、原則としてこの決まりの対象外です(第26条)。ただし、相手が店や会社だというだけで外れるわけではありません。店主に家庭で使う物を売るような場合は、当てはまることがあります。

「近くで工事をしていまして」「点検に来ました」のように目的を伏せて入るやり方は、個人宅では最初に告げるべきことを告げていないことになります。会社の台本でそう言うよう指示されているなら、名乗りと用件を先に言う形に変えてよいかを、上司に相談してください。

ここまで準備しても、しばらくは断られる日が続きます。それでも続ける意味はあるのでしょうか。

転職で評価される飛び込みの経験

飛び込みを続ける意味はあります。飛び込みの経験は、営業のなかでも頑張っていると見られ、どんな売り方でもやれる人だと伝わります。だからこそ、面接で話せる形で残しておいてください。

頑張っていると見られる経験

訪問営業の経験は、営業のなかでは割と上位に見られます。よく頑張ってきた人だと受け取られやすい経験です。

断られる前提で、自分から人に会いにいく仕事を続けてきた。面接で話す価値のある経験です。

どんな売り方でもやれる証

面談では、営業の経験を売り方ごとに分けて聞いています。新規か既存か。自分から当たるのか、問い合わせを受けるのか。電話か、オンラインか、訪問か。

飛び込みは、新規の相手に、自分から、訪問して当たる売り方です。この3つがそろった経験がある人は、営業手法にNGが無いと伝わります。そういう人は、市場からかなり求められやすい。

あとで反響営業(問い合わせを受けて動く営業)やルート営業(決まった取引先を回る営業)に移るときも、この経験はそのまま話せます。

企業が欲しいのは自分で取りにいく人

人を紹介している先の企業から、中途で入った営業について、こんな話を聞いたことがあります。プライドが高くて、来た商談しかさばかず、自分で取りにいかない。それなら、営業がまったく未経験の人でもかまわない、と。

こう話す企業が欲しがっているのは、自分で商談を取りにいける人です。いま飛び込みを続けているあなたが積んでいるのは、その経験です。

面接で話せる記録を残す

経験が評価されるかどうかは、それを数字で話せるかで変わります。面談で私が聞いているのは、月にどれくらい当たり、何件の商談になり、何件決まり、単価はいくらか、といったことです。

飛び込みなら、次の項目を残しておくと、そのまま答えられます。

  • 回った軒数
  • 話を聞いてもらえた数
  • 商談になった数と、決まった数、その単価
  • 紹介でつながった数
  • 断られた理由

その日の夜に、1日分を1行で付けます。用件を言ったあとに、質問か話の続きが返ってきたら「話を聞いてもらえた」に数えます。

月ごとにまとめておき、面接では「何を変えて、数字がどう動いたか」の順で話します。「回る先を紹介でつなぐようにしてから、話を聞いてもらえる割合が上がった」と言えれば、それはどの会社でも通じる話になります。

ただ、この記録が話せる形になるまでには、断られ続ける時期があります。

成果が出ない時期の踏ん張り方

成果が出るまで、回り方を変えながら踏ん張ってください。そのあいだは、成功率を他人と比べず、前の週の自分と比べます。

区切りごとに回り方を見直す

適性はもちろんあります。それでも私は、ある程度のところまでは、どんな仕事も頑張れば届くと思っています。まずは求められているポジションで、成果を出すまで頑張ってほしい。

ただ、同じ回り方のまま頑張り続けても、数字は動きません。会社が成績を区切るタイミングごとに、記録を見返してください。四半期ごとに評価される会社なら、その区切りごとです。

見るのは、その間に回り方を変えたか、変えたあとに話を聞いてもらえた割合が動いたかです。動いていれば、そのまま続けます。行き先も一言も変えてみたのに、記録を付け始めたころから割合がほとんど動いていないなら、回り方ではなく、新規の訪問という売り方が合っていないのかもしれません。そのときは「合わないと感じたときの判断」へ進んでください。

踏ん張らなくていい状態

ただし、次のような状態が続いているなら、踏ん張る対象から外してください。

夜、眠れない。
食事がのどを通らない。
朝、家を出ようとすると動悸がする。

ここまで来ていたら、区切りを待たずに休み、医療機関に相談してください。体を壊してまで続ける価値のある区切りはありません。

成功率より前の週と比べる

飛び込みの成功率は、売る物と回る先で大きく変わります。他人の数字と比べても、自分の回り方の良し悪しはわかりません。

比べるのは、前の週の自分です。「面接で話せる記録を残す」で付け始めた記録から、回った軒数のうち話を聞いてもらえた割合を、週ごとに出します。行き先の絞り方や最初の一言を変えた週に、その割合がどう動いたかを見ます。

断られた理由を書き分ける

同じ記録に、断られた理由を書き分けます。

  • 不在だった
  • 時間が合わなかった
  • 「いりません」「関心がない」と言われた
  • すでに他社を使っている

不在が多ければ、時間帯を変えます。
時間が合わなかった先は、日を改めて訪ねられます。
すでに他社を使っている先が多ければ、当てる先か、話す内容を変える時期です。

「いりません」と言われた先は、何が要らないのかを書いておきます。個人の家で「いりません」と言われた商品は、日を改めても勧められないので、この記録がそのまま再訪できるかどうかの判断になります。

うまくいかなかった月を、何を変えて、翌月どうなったかの1行で残す書き方は、給料が上がらずやる気が落ちたときの記事の「立て直した記録を残す」に書きました。

記録がたまれば、数字の出し方も見えてきます。では、その数字は給料にどう返ってくるのでしょうか。

飛び込み営業で稼げるか

数字を出せば給料は上がりやすい売り方です。ただ、出ない月の給料も先に見ておいてください。

歩合の割合が大きい売り方

訪問営業は、給料のうち歩合の割合が大きい業界に多い売り方です。訪問営業のなかでも、電気・ガスなどのインフラ、太陽光、蓄電池あたりは歩合が多くなります。

業界ごとの固定給と歩合の分かれ方は、給料の高い仕事を比べた記事の「歩合が大きい業界と、固定給が大きい業界」で確かめられます。

先に見るのは固定給

人を紹介する立場から、私がすすめるのは、歩合の大きさより先に固定給を見ることです。数字が出なかった月の給料は、固定給だけになります。生活に必要な額を固定給でまかなえるかを先に確かめ、歩合は上乗せの分として見てください。

雇われて働く人なら、歩合で働いていても、働いた時間に応じた一定の保障を受ける決まりがあります(労働基準法第27条。業務委託の契約は対象外です)。給与明細に基本給の欄が無い、あるいは毎月ゼロに近いなら、いま働いている人は会社に確かめ、これから応募する人は応募を保留してください。明細のどこを見ればいいかは、営業を辞めたいと感じる原因を切り分けた記事の「会社が売れないリスクを負っていない」に書きました。

これから飛び込みのある会社に入るなら、給料のほかにも、面接で確かめておきたいことがあります。

飛び込みのある求人を選ぶとき

飛び込みのある会社に、悪い会社があるわけではありません。求人は、誰かには合っていて、誰かには合っていないものです。だから、自分に合うかどうかを面接で確かめてから決めてください。

飛び込みそのものを避けたいなら、問い合わせを受ける営業や、決まった先を回る営業から選べます。その選び方は、「営業やりたくない」と思ったときの記事の「飛び込みとテレアポは形で外せる」に書きました。

ここでは、飛び込みのある会社でとくに確かめたいことを書きます。

リストの出どころを聞く

回る先を会社が決めるのか、自分で探すのかを聞きます。会社がリストを渡すなら、そのリストがどこから来ているのかも聞いてください。何年も使い回されたリストなのか、問い合わせや既存の取引先の紹介から来た先なのかで、最初の数か月のつらさが変わります。

紹介と同行の仕組みを聞く

既存の取引先から紹介をもらう仕組みがあるかを聞きます。紹介が入る会社なら、「紹介でつないで取引先を開く」で書いた回り方を、入社してすぐ試せます。

あわせて、入社してから1人で回り始めるまでに、どれくらいの期間、先輩の訪問に同行できるのかも聞いておきます。最初の一言や下調べのやり方は、横で見るのがいちばん早く身につきます。

飛び込みに限らない面接での聞き方は、営業を辞めたいと感じる原因を切り分けた記事の「面接で聞く6つの質問」にまとめています。

入社後に売り方を変えられるか

飛び込みから、問い合わせを受ける営業や、決まった先を回る営業の部署へ移った人がいるかを聞きます。いれば、合わなかったときに社内で別の道があるとわかります。

入ったあと、あるいはいま回っていて、それでも合わないと感じたら、どうすればいいのでしょうか。

合わないと感じたときの判断

合わないと感じたら、転職より先に、社内で売り方を変えられないかを確かめてください。

先に社内で売り方を変える

私は、転職を前提に動くことをあまりおすすめしていません。もやもやを抱えたまま転職してしまうのが、いちばん避けたい形だからです。

飛び込みが合わないと感じても、合わないのは営業そのものではなく、新規の訪問という売り方かもしれません。社内に、問い合わせを受ける部署や、決まった先を回る部署があるなら、先にそこへ移れないかを聞いてみてください。異動を願い出るときの伝え方は、営業職に向いてないと感じた人に向けた記事の「異動の希望は特徴で伝える」に書きました。

反響やルートで力が出る人もいる

訪問の営業で、新しい関係を作るのがうまくいかなかった人が、反響中心の電話営業に異動して成果を出した例があります。1対1の電話なら、丁寧に対応できたからです。

いちばんつらい場面から、自分に合う営業の形を選ぶ表は、同じ記事の「特徴ごとに合う営業の形」にあります。

移るなら記録を持って

社内で売り方を変えられず、外に移ると決めたら、ためてきた記録を持って移ってください。回った軒数、話を聞いてもらえた割合、紹介でつながった数、何を変えて数字がどう動いたかがそろっていれば、飛び込みの経験は、そのまま次の面接の材料になります。

飛び込み営業でよくある質問

テレアポと飛び込みはどちらが得か

どちらが得かは、売る物と相手で変わります。テレアポは、同じ時間で当たれる数が多い売り方です。飛び込みは、当たれる数は少ないかわりに、相手の顔や店の様子が見え、顔を覚えてもらいやすい売り方です。

どちらも、新規の相手に自分から当たる経験です。転職の場では、どちらを続けた経験も、自分で商談を取りにいける証として見られます。

飛び込み営業に向いているのはどんな人か

断られても、それを売り方と時機への返事として受け取れる人です。人にそこまで入れ込まない人のほうが長く続く、という話は「断りを自分への評価と受け取ってしまう」で書きました。

もう1つ、気持ちの切り替えが早い人も向いています。1軒で断られても、次のドアの前では前の1軒を引きずらずに名乗れる人です。この切り替えは性格だけで決まるものではなく、断られた理由を書き分けて、次に何を変えるかが決まっていると、早くなります。

飛び込み営業は楽しいか

楽しいと感じる場面はあります。下調べで当てた困りごとが当たって話が弾んだときや、紹介でつながって新しい取引先が開けたときです。どこを回り、誰から誰へつなぐかを自分で考えられるようになると、つらさだけの仕事ではなくなっていきます。

どぶ板営業との違いは何か

どちらも、足で1軒ずつ回る営業を指す言葉です。どぶ板営業は、地域を1軒ずつ地道に回る泥臭さを強調した言い方として使われることが多く、飛び込み営業は、約束なしに訪ねるやり方を指す言い方です。重なる部分が大きい言葉です。

明日回る先に行く理由を書く

明日の訪問の前に、回る予定の先それぞれに「なぜここに行くか」を1行ずつ書いてください。

書けた先から回ります。書けなかった先は、後ろに回します。

そうやって行き先を絞り、つながりをたどって積んだ経験は、どの会社に行っても、自分で商談を取りにいける人の証として残ります。